プロ現場のDTPはMacで行う例がまだまだ多い
DTPというと、前述のソフトウエアとMacを使って行うのが一般的となっています。しかしこれらのソフトのほとんどは、近年、Mac版だけでなく、Windows版も出されているため、印刷所でのデータ受け入れ体制や、出力体制が整えば、WindowsによるDTPが普及することも大いに考えられます。なんと言っても、シェアの高いOSですから。また前ページに記したPDFによる印刷も、この普及に拍車を掛けると思われます。
WindowsDTPの普及を妨げた要因の一つに、フォントの問題がありますが、これも、Windows XP(ウインドウズ・エックスピー)とMac OS X(マック・オーエス・テン)の両方で使えるOpen Type(オープンタイプ)と呼ばれる形式が出たことで、問題にならない環境ができています。
WindowsDTPについては、さまざまなグループや印刷所が、その普及に努めていますが、全国的に見ると、まだまだMacでのDTPが圧倒的に多いようです。それは、印刷業界の保守性だけでなく、編集者やデザイナーたちが、Macの操作性に楽しさを感じているからだという意見が少なくありません。
Macを生み出したApple社は、ルック&フィールの良さという付加価値をコンピュータに与えました。それを敏感に感じ取った人たち(ほんとうに一握りの人たち)によって、次第に広がっていったのです。それ故、Macには、狂信的ともいえるファンが多く存在します。コンピューター業界全体から見れば10%にも満たないシェアのMacですが、熱狂的なファンによって支えられている部分が多いと言えます。また2000年になって 、OSがMac OS Xに移行したことで(2016年からはmacOSに改称)、それまでMacに興味を示さなかったUNIX(ユニックス)系の人が興味を持つようになってきていると言われています。
以前は、Macといえば印刷業界や音楽業界の人の利用が目立っていましたが、現在ではIT系をはじめ、さまざまな業種で広範囲で使われています。また同じくApple社が販売するiPhoneやiPadの人気により、それらとコンピューターとの連動などの意味からもMacの裾野が広がっているようです。