印刷用紙の端を示します
トンボと言っても、昆虫のトンボではありません。印刷をするときに使う版に記す線のことで、これが出来上がりの紙の大きさになります。実際には、【図1】のようになっています。
トンボには、コーナーごとに平行な二本の線があります。なぜ二本あるのかと疑問を持つ方が多いようです。またトンボが紙の大きさを示していると知っても、どの線が紙のサイズなのかは、分かりにくいですね。
たとえばA4判の紙に印刷をする場合、大きく分けると二つの方法があります。一つは、すでにA4判の大きさになっている紙に印刷する場合。もう一つは、A4判より大きな紙に印刷する場合です。一枚物の印刷(ペラといいます)の場合は、A4判の紙に印刷する場合もありますが、冊子の形になっている場合は、ほとんどの場合、それより大きな紙に印刷します。または冊子印刷では、1ページずつ刷るのではなく、4ページや8ページ分を大きな紙にまとめて刷り、後で折って断裁するという方法をとります。そのときの目印がトンボなのです。
【図2】を見て下さい。
トンボには、外トンボと内トンボがあります。これらは通常3mm離れています。内トンボは紙の大きさを示しています。だから、図の赤い線で示した部分が紙の大きさなのです。でも、外トンボ部分をつなぐと、青い色が付いた部分になります。なぜこんなことをするのかというと……。
印刷物をよく見ると、紙の端まで印刷されていることがあります。これもトンボのおかげで実現されます。内トンボが出来上がりのサイズですが、それより3mm大きい外トンボの位置まで写真や色などを伸ばしておきます(これを塗り足しといいます)。実際には、内トンボより外は断裁されてしまいますが、それにより、紙の端まで写真や色がきれいに載った印刷物を作ることができます。