写真の背景をぼかすこともできる
人物を主体に撮影するポートレートは、背景がきれいにぼけている場合が多いもの。これは、背景をぼかすことで人物を引き立てることができるからです。
背景がぼけるかどうかは、被写界深度(ひしゃかいしんど)が関係しています。これは、写されるもの(被写)のピントの合う位置(界)の深さ(深度)を言います。深ければ手前から奥までピントが合うので、ぼけにくくなります。浅ければピントの合う位置が狭まるので、ぼけやすくなります。
では、どうしたらこんな写真が撮れるのかというと。
被写界深度を決めるのは、カメラの絞り、レンズの焦点距離、被写体とカメラの距離の三つです。
絞りをしぼると光の入る量が少なくなり、開くと量が多くなります。開いた方が、被写界深度が浅く(背景がぼけやすく)なります。
レンズの焦点距離とは、望遠レンズか広角レンズかといった違い。望遠レンズの方が被写界深度が浅くなります。
被写体との距離は短い(近い)方が被写界深度が浅くなります。遠くから撮るより近くで撮った方が、ピントの合う位置の深さに左右されやすいのは、感覚的に理解できますね。
上記の条件を満たすには、絞りやシャッタースピードが調整できるカメラが必要です。
カメラのオート機能で撮るなら、ぐんと被写体に近づき、背景が被写体よりずっと後ろにあれば、バックがぼけやすくなる、という方法もとれます。スマホなどでも同様のことが言えます。ただしスマホについているレンズは、基本的に広角ですので焦点距離が短く、背景がぼけにくいもの。背景をぼかす操作をするアプリもあるようですので、そういったものを使う手もありますね。