あなたらしさを出して見やすく・分かりやすく
編集という言葉を『広辞苑』(岩波書店)で引くと「資料を或る方針・目的のもとに集め、書物・雑誌・新聞などの形に整えること」とあります。う〜ん、なんだか難しいですね。言い換えると、「本とか雑誌とか新聞とかを作るときの作業で、載せたい内容をまとめて、見やすい形にすること」と言えばいいでしょうか。現代では本などの紙ものだけでなく、映画やビデオ、音声などにも編集という言葉が使われています。こちらは「撮影や録音したものを切ったりつなげたりして、一本の作品として完成させること」という意味で使われることが多いですね。
ということで、編集って何なのよと考えてみると、要は「まとめ上げて見せる」ことなんですね。新聞風のものを作りたい、本にしたい、みんなに見てもらえるように一本のビデオを完成したいというだけでなく、自分が伝えたい内容をホームページにしたい、これまで撮ってきた写真を見やすくしたい、分かりやすくまとめた住所録を作りたいなどなど、とにかく「分かりやすく」とか「見やすく」といった思いのもと、さまざまな事柄を「まとめて形にする」のが編集です。だから「広報誌を作る」ことだけが編集ではないし、「編集はプロの作業」というわけでもありません。だれでもできるし、日常的にできること、それが編集であり、毎日の暮らしの中で、だれもが多かれ少なかれやっていることなのです。
たとえば、料理を作り、それをどう盛りつけるかとか、さまざまな料理をテーブルにどう配置するかも、広い意味での編集と言えるでしょう。料理の配置一つで、見やすさが変わり、食欲をそそることもできるはず。また盛りつける皿の色や形と料理のマッチングを考えることでも、テーブルの楽しさや華やかさを演出できるはずです。「こんなふうにしたら見やすいかな」「こんな工夫をすると楽しいかな」そんな思いが編集のベース。見る人の気持ちを明るくしたり、楽しくしたり、元気にしたりするもの、それが編集だと言うこともできます。
新聞を作るとか、雑誌を作るといった、プロの現場ばかりが強調されてしまう編集という言葉。でもね、あなたの暮らしの中でも、大いに活用できる行為なんです。そして編集は、あなたの工夫で周りを幸せにすることであり、あなたらしさを見てもらうことでもあるんです。楽しいですよ、編集するって。