校了までが編集者の責任

記事書き、見出し付け、レイアウトが終わると、後は印刷して配布するだけと考えがちですが、まだ重要な工程が残っています。それが「校正」です。「校」という字は、調べるという意味を持っているとか。つまり校正とは、文字や句読点、その他が間違っていないかを調べ、正しくする作業をいいます。レイアウトを印刷屋さんに依頼する場合もあると思いますが、印刷屋さんが文字やレイアウトを間違えたとしても、編集に当たる者がそれを見つけて修正をお願いしなければなりません。

校正のやり方、注意点

・正確第一

文字の間違いは、広報誌の品位を落とし、信頼をなくします。個人の名前が間違っていたら、たいへん失礼になります。

また一般の人々には、印刷・配布されたものは「正しいもの」という感覚があります。校正を怠り、間違った内容が出ても、読者はそれを正しいと思ってしまうかもしれないのです。これはあってはならないことです。

校正作業でチェックするのは、まず文字の間違いです。言葉が間違っていないかもチェックします。段落替え後にちゃんと一字あけをしているか、句読点やカッコなどは正しく使われているかなど、細かく検証しましょう。

また内容に不確かな点がないかのチェックも行います。記事にした総会の日付が間違っていてはいけませんし、総会の議題一覧が昨年のものだったりしたら大変です。そのあたりも原本に照らし合わせてチェックします。

こうしたチェックは、そもそも原稿執筆や原稿整理の時点が行わなければならないものです。当然、注意して原稿を作成するわけですが、それでも間違ってしまう場合がありますから、ダブルチェックの意味からも、必ず校正を行います。

・複数で別々に

校正は、必ず複数の人で行います。人数が多ければ多いほど正確になるといっても過言ではありません。

レイアウトを印刷屋さんに実施してもらった場合は、印刷屋さんがゲラ(校正用にプリントしたもの)を持ってきてくれます。これを編集委員の人数分コピーして、全員がそれぞれ個別にチェックします。各人のチェックが終わったら、全員分を一つのゲラにまとめ、印刷屋さんに渡して修正してもらいます。

印刷屋さんを使わない場合でも、同様に複数の人数で校正し、全員分を修正します。

なお、各人の修正点のうち、同じ箇所で直し方が異なる場合は、編集委員で協議してどの直し方にするかを決定します。

・校了と責了

校正をして修正をしたらそれで終わりではありません。修正したものをもう一度チェックします。修正指示箇所が直っているかどうかのチェックです。新たに間違った箇所を見つけた場合は、それも指摘します。こうして再度、修正します。

1回目の校正を「初校」といいます。それ以後は「2校」「3校」「4校」と呼んでいます。数ページの広報誌の場合、2校から3校ほどで終わる場合が多いでしょうが、ページ数の多い冊子や書籍の場合は、もっと回数が多くなります。

何度かの校正を終えて「もうこれでOK。印刷して大丈夫」という状況を「校了」といいます。校正が終了したよ、という意味ですね。これは編集者が(校正を行った者が)、責任をもって「大丈夫」と示すというものです。

校了とは別に「責了」という言葉もあります。これは、最後の校正などで、修正点がごく少ないときなど、修正をする側に任せて校了にすることをいいます。「最終的に全部完璧に直っていることを確認はしないが、最後の微修正だけはよろしくね」という形です。印刷屋さんにレイアウトと印刷をお願いする場合は、最後の修正は「責了でよろしく」となる場合があります。

校正記号

校正記号の例(横書きの場合)