紙の配布、デジタルでの配布

印刷が終わると、最後の工程があります。それは「発行」です。具体的には広報誌の配布です。

配布の方法はさまざまで、読者が少なく、直接手渡しできるならそうします。学校内でPTA広報を配る場合なら、先生方に教室で配布してもらい、子供たちが家へ持ち帰るという方法があります。社内配布の場合、規模の大きなところなら、社内メール便などを活用することもできるでしょう。部署ごとに(部屋ごとに)入り口などに置いておき、一部ずつ取ってもらう形でもいいでしょう。

また各戸配布という方法もあります。配布対象が近隣でそれほど多くない数ならば、編集委員が直接配布することもできますが、それが無理ならば郵送になります。これはかなりコストがかかってきますので、事前の計画が重要です。

各戸配送の利点は、必ず読者の手に届くことです。一定の場所に置いておいて自由に取ってもらう形だと、取らない人も出てきます。手に取って見出しだけでも見てくれれば大まかな情報が伝わりますが、全く手に取らない場合は、全く情報が伝わらないことになります。できる限り、一人一人が手に取って目を向けることができるような工夫が必要ですね。

なお「印刷」の項にも記しましたが、PDFによる発行(配布)も可能です。ただしこれは「スマホなどの機器を用いてアクションを起こさないと閲覧できない」というマイナス面があります。またパソコンでもスマホでも、どちらにも読みやすいレイアウトはなかなか難しいものです。これまでお話ししてきたレイアウトは、紙に印刷することを前提にしていましたので、スマホで見るとなると、レイアウトの元の形を変える必要も出てきます。ホームページでは、一つのデータからパソコン用、スマホ用と、見え方を変える方法(レスポンシブデザイン)もありますが、PDFの場合、そういった方法がとれません。パソコン用とスマホ用の2種類を作る手もありますが、あまり効率的とは言えません。

こうした課題もありますが、発行の一手段として、PDFなどのデータ配布の可能性を検討してみるのもいいでしょう。