動植物名はカタカナで
広報などの編集の世界では、さまざまなカタカナに出合います。カタカナ表記は「適当に行っていい」わけではありません。ではどんなときにカタカナを使うのかといえば……。
まずは外来語です。コンピューターも、リモコンも、ビデオも、カステラも、ガラスも……。言い出せばきりがありませんね。チャーハンやキムチといった中国・韓国系の言葉も外来語としてカタカナ書きします。外国人の名前や外国の国名・都市名もカタカナです。ジョンさん、カナダ、パリなどなど。このほか、ガーガーとかポキポキなどの擬態語・擬音語も基本的にはカタカナ書きをします。ひらがなでもかまいません。またその言葉に特別なニュアンスを持たせたいときにもカタカナ書きをします。「君はイヤなヤツだなあ(笑)」など。
以上は、常識的に考えて、カタカナ書きが正しいだろうと予想できますが、これ以外にもカタカナ書きが望ましいものもあります。広報では、動物や植物の名称をカタカナで記すことが推奨されています。犬、牛、馬など、漢字で書くのが一般的であるものは漢字でもいいでしょう。しかし基本はカタカナ書きです。「緑亀」とは書かずに「ミドリガメ」と書きます。「錦蛇」ではなく「ニシキヘビ」です。また植物では「朝顔」ではなく「アサガオ」ですし、「向日葵」ではなく「ヒマワリ」ですね。向日葵は、いわゆる当て字ですので、いずれにせよ漢字を使いません。
ただし、総称的に使う場合や、随想など記事よりも柔らかい表現をする場合は、漢字を使ってもいいといわれています。「鯨類について」とか「そもそも犬というものは」などは、漢字でもいいとされています。また、詩や短歌などでは無理にカタカナを使う必要はありません。ただし漢字を使う場合は、それらが常用漢字表内字である必要があります。とはいうものの、詩など芸術性のある文の場合は、表外字であってもそのままの表記を使ってもいいでしょう。できればルビ(読みがな)を付けるといいですね。また作品として出されたものは、編集側で勝手に表記を変えてはいけません。